年末年始の学生スポーツである箱根駅伝・大学ラグビー・高校サッカーなどのシーズンが到来! 選手たちを見ていると忍耐強さを感じますよね。「自分も鍛えなければ!」と感じている人も多いはず。そこで今回は、忍耐力高めの遺伝子タイプや忍耐力の上げ方など、今の時期にぴったりの忍耐力にまつわるトピックスをご紹介します。
■忍耐力高めの遺伝子タイプが多いのはどこ?
忍耐力は、他のスキルと同様に、ある程度、遺伝が関係していることは、誰もが感じることではないでしょうか。
実は忍耐力は遺伝子型と関係していることが研究によって確かめられているのです。カリフォルニア大学を中心とした研究チームが、記述式のアンケートを実施した中で、「新奇性追求」、「損失回避」、「報酬依存」、「忍耐力」の4つの気質のスコアと遺伝子型との関連性を確認したところ、「SNP:rs17608059」という遺伝子型で「C」を持っているほど忍耐力が高い傾向があると分かったのだそう。
先日、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストは、手掛ける遺伝子解析サービスの利用者の中から20,000人以上のゲノムデータを用いて、「忍耐力(SNP:rs17608059)」の項目を解析しました。
そして、忍耐力が高めの遺伝子タイプが多い都道府県ランキングを発表。結果は、1位 高知県、2位 山梨県、3位 富山県でした!
また、日本人における遺伝子型の割合は、「忍耐力が高めのタイプ(遺伝子型:CC)」が41.9%だったそうです。つまり、今回の調査では20位以内が日本人の平均よりも忍耐力が高めのタイプが多い都道府県に該当するということ。自分の遺伝子型は、「遺伝子解析サービス」でチェックできるので、気になる人は試してみては。
■パーソナルトレーナーに聞く忍耐力アップの方法
一方で、遺伝子だけでは忍耐力は決まることはないはず! 学生スポーツを観戦しながら、「自分も粘り強く何かを頑張りたい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
そこで、さらにレベルを上げるために、パーソナルトレーナーで、「人生が変わるパーソナルトレーニング」をテーマに多数の人々の指導を行う中野 ひろゆきさんに、忍耐力を上げるポイントを伺いました。
ーー駅伝などの学生スポーツの時期です。駅伝の選手のようにねばり強く物事に取り組みたいけれど、忍耐力に自信がない人が、忍耐力を鍛えるためには、どのようなメンタルが必要ですか?
「忍耐力とは結局、『耐えたいか、耐えたくないか』です。時間・お金・労力などの『投資』を行う際に、見合ったリターンがあれば『耐える』、見合わなければ『耐えない』を選択するのが人間の本質です。そのような中でも、一般的には『コスパが悪いことをやり続ける人=忍耐力がある人』と判断しがちですが、実は本人にしかわからない『やり続けるべき価値』がしっかりと存在しています。
高校球児には、甲子園出場のために学業以外のすべての時間を使う選択、大学駅伝選手には、名門駅伝に出場するためにキャンパスライフをあきらめる選択など、努力よりも『夢中』が人の忍耐力を高めるはずです。
忍耐力を高めるために、能力をプラスするのではなく、今行っていることに『耐える価値があるのか?』を見定め、もし価値があるのなら『興味を持って探求する』と、自ずと忍耐力は高まります」
ーーメンタルを鍛えるために、日々取り組めるトレーニング方法を教えてください。
1.運動で「脳力」を高める
「ハーバード大学 ジョン J レイティ博士の著書『脳を鍛えるには運動しかない』の中で、運動をすることでストレス耐力が高まるという研究が発表されています。このように。ストレスなどのネガティブ要因に引きずられない忍耐力を身につけるためには、脳を鍛え『人間としてのスペックを高める』必要があります」
2.優先順位をマネージメントする
「人生にとって大切なことの『優先順位』を明確にし、ブレないように生きる。これこそ夢中になれることを見つけるために最も必要なプロセスです。そして夢中になれば、勝手に忍耐力も高まる。忍耐力を高めるために時間を費やすより、忍耐力が高める情熱、つまり夢中になれることに時間を費やすほうが確実に成功します」
3.しっかりと睡眠をとる
「めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰医学博士は『Good Sleep, Good Life! 良い睡眠は良き人生に導きます!』と発表しており、睡眠が疲労回復のみならず、脳内メモリーのリセットやストレスの緩和にもとても効果的だとも言われています。ストレスや疲れを感じたら15分程度のお昼寝もとても効果的です」
ーー忍耐力に自信がない人に向け、メッセージをください。
「努力より夢中になれることを探すことです。忍耐力に自信がない方々の問題は、忍耐力の有無ではなく、耐えしのぐ価値のある物事に出逢えていないということなのです。興味がないことや嫌なことは、究極の忍耐力修行をしても続かない。ならば思考を転換して、忍耐力という『続けたいと思う』メンタルが勝手に高まることを探す方に力を注ぐべきです。一回限りの人生、自分の興味のあることを片っ端からやってみてください!いずれ、あなたの情熱に出逢うはずです」
忍耐力に関するトピックスをご紹介してきました。ぜひこのスポーツが熱い時期だからこそ、自分自身も熱くなって、遺伝の有無に関わらず、忍耐力を底上げするために、夢中になれることを探しましょう!
【取材協力】
中野 ひろゆきさん
パーソナルトレーナー
1984年大阪生まれ。カナダ・オカナガン大学経営学部マーケティング学科卒業。「人生が変わるパーソナルトレーニング」をテーマに国内外で15,000名以上の指導実績。GLOBIS学び放題にて「中野式健康経営」で登壇する健康経営のパイオニア
株式会社イー・エス・アイ(https://exsint.com)
【出典】株式会社ユーグレナ「忍耐力が高めの遺伝子タイプが多い都道府県ランキング発表 粘り強いのは1位 高知県、2位 山梨県、3位 富山県」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000400.000036462.html)