YouTube動画:https://youtu.be/M1Sm84l01OY
4月6日(土)より公開の映画『12か月の未来図』。
暴力問題やパワハラ問題など、日本でも度々マスコミを騒がす教育の現場。どうやら昨今、どの国でも同じ問題を抱えているよう。
そう、『12か月の未来図』は、進学校のエリート教師が問題児だらけの中学校へ赴任し奮闘するという、フランス産の「教育は大変だ」映画なんです。
今回は、本作のメガホンをとったオリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル監督に【来日インタビュー】を敢行!!
なぜ教育現場を映画の題材に選んだのか?子供たちのナチュラルな芝居の引き出し方や、最近観た日本映画まで、様々な話題を監督に聞いて来ました!!
Q なぜ学校の映画を?
「学校というテーマを扱おうと思ったのは僕だけじゃなく、プロデューサーからも“フランスの教育現場をやらないか?”と話があったんだ。僕自身も過去にルポルタージュ作家としてユネスコの要請でアジアを中心に世界各国、バングラデッシュやベトナム、タイなどの教育の現場っていうものを見てきて、教育に関心もあった。ドキュメンタリーでも出来るけど、意外とこれまで中学校は映画になっていないので、これまでの教育映画とは違った視点で出来ると思い、フィクションで作ったんだ。」
Q 子供たちのキャスティングは?
「キャスティングは僕が担当した。キャスティングした生徒たちは僕が見てきたクラスの雰囲気で選んだ。キャスティング後に学校の長期休暇を利用してリハーサルを行った。リハーサルでは自信をつけさせるという事を試みたよ。やはり彼らはプロではないし、映画や芝居の経験もない。とにかく、まずは自信をつけさせるという事。実際にクランクイン後に現場の技術部の人たちに怖気づかないように」
Q 具体的には?
「“君を選んだのは、君が出来ると思ったから選んだんだ。君は出来るよ。僕は自分の為に作ってるんじゃなくて、本当に君が良いと思ったから君を選んだんだよ”と話して自信をつけさせたんだ。やはり子供たちに“僕は君を信頼してるよ”という態度を見せると、彼らも僕を信頼してくれたんだ。勿論、僕は甘やかしてるつもりはなくて、要求の高い所もあったけど、だからといって、ただ厳しいわけではなくて、尊敬と優しさを持って厳しくしていたので撮影はとても上手くいったよ」
Q 日本の映画は観ますか?
「日本の映画も観るよ。観ようと意識して頑張っている所もあるけど。『万引き家族』や『そして父になる』も観たよ。僕の見方ってのは、これから扱うテーマに関係のある映画を観る傾向があるかな。まぁ、今回が教育をテーマにした映画だからって事はないけど。人間関係という部分で『万引き家族』は家族を扱った作品なので興味はあったよ。でも、これからは自分の映画で扱うテーマとは関係なく色んな映画を観ていきたいな。フランス映画や欧米の映画ばかり観ているとテーマの扱い方などがストレートだったりするけど、アジアでも特に日本映画は問題を真正面から扱うのではなく、周辺部分から段々と確信に入ってくるアプローチには学ぶ所があるように思うよ。やはり映画館で映画を観てると、どの場面で観客が笑っているかが解るのが楽しいよね。僕自身、ペルーやナイジェリア、メキシコ、カナダなどで観て来たけど、日本の映画館ではどこで笑うのか凄く興味深いよ」
監督・脚本:オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル
出演:ドゥニ・ポダリデス「最初の人間」(12)、レア・ドリュッケール「ジュリアン」(19)
2017年/フランス/フランス語/107分/シネスコ/5.1ch/原題:Les Grand Esprits/英題:The Teacher/日本語字幕:岩辺いずみ/G/
提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
© ATELIER DE PRODUCTION - SOMBRERO FILMS -FRANCE 3 CINEMA – 2017
公式サイト:12months-miraizu.com
2019年4月6日(土)より岩波ホール他全国ロードショー