日本を代表するミステリー作家=島田荘司の同名小説を中国で映画化した『夏、19歳の肖像』が現在、日本公開中。ミステリー映画の皮をかぶった甘酸っぱい青春映画というコラボ技な仕上がりに!!
ヒッチコック風サスペンス
主人公は、骨折で入院している大学生の青年。病院の向かいの屋敷に住んでいる美女が、父親らしき男と揉めているのを目撃。次の瞬間、刃物を振り下ろす彼女。ズルズル引きずられていくグッタリとした男。唐突に殺人事件疑惑が発生!!
巨匠ヒッチコックの『裏窓』を思い出させるサスペンス展開へ!!
主人公がストーカー化?!
そこからの主人公のバイタリティが凄まじいんです。ムリヤリ退院。気になる美女をストーカー。留守中の家に家宅侵入。彼女の部屋を物色。さらに、職場まで尾行。特定。その職場にバイトとして入社。……と若気の至りをはるかにフライングした奇行の数々。
それでも、あくまでも主人公はピュア。むしろ、ブレーキの壊れた好奇心は「いつバレるんだ?!」のスリリングなハラドキ要素へ!!
これは、ラブ・ロマンス?!
とうとう彼女を飲みに誘い、殺人場面の真相が明らかになる……のかと思いきや、もはや彼女にメロメロの主人公。なんとか彼女の気を引く為に奮闘するラブロマンス展開へ大きくシフトチェンジ!!ヒロインの殺人疑惑を忘れそうになるくらい、ロマンスなムードたっぷり!!
もちろん、過度なストーキングが思わぬ流れでバレてしまい、物語はさらに大きく舵を切ることになります。
謎が謎呼ぶ
主人公の悩みの種は、ヒロインの殺人疑惑だけではないんです。SNSで知り合った顔の見えない人物からの「殺人犯のストーカーしてるの知ってるぞ」という謎のメッセージが来ます。一体、この人物は何者なのか?
さらに、ヒロインを追い回す謎の組織……と次から次へ謎が出てくる疑惑の総合総社状態!!
角川映画?!なノリ
ちょっと難しめなミステリーがクライマックス、怒濤の勢いで解明されていくストーリー展開はお見事!!
しかし、これだけ頭を悩ます要素があるにも関わらず、どこかノーテンキな主人公からは、往年の角川アイドル映画的なノリさえ感じ取れます。
ミステリーをベースにしながら、一夏の恋を描いた本作は、ミステリー好きだけでなく、恋愛映画好きの女性にも受け入れやすいと思います!!
夏の終わりに是非!!
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