日本の未来の食卓を変えたい 美味しい魚で人を笑顔にするエンターテインメントを目指す取り組みとは?

2022/06/13
マガジンサミット編集部

今回お話しを伺ったのは、株式会社Foreground 代表取締役社長の岡本竜哉さん。21歳から不動産屋のトップ営業マンとして働き、30歳からは3年間、魚屋で物流の勉強をするために修業をしていた。そして2020年4月1日に同社を設立。現在、取り組んでいることや、その背景、今後の目標について語った。

同社は「産直魚市場」というアプリを開発し、運営している。このアプリは、全国で水揚げされる魚を漁師(問屋(卸売))がアプリ上に出品し、その出品された魚を見て飲食店やスーパーなどの量販店、宿泊業者などあらゆる業者が直接注文し、購入できる仕組みになっている。

このアプリの特徴として、岡本さんは、買い手はわざわざ市場に行かなくてもスマートフォンなどの端末からアプリを利用して、簡単に注文ができることにあると話す。

従来の一般的な流通とはどのように異なるのだろうか。岡本さんによれば、まず漁師が市場に出品すると、市場の仲卸業者が間に入り、その出品された魚を、飲食店などの業者へ売ることになる。このように仲介業者さんが入る点が、産直魚市場のアプリと大きく異なる点だという。アプリは漁師と業者をダイレクトにつなげることから、間に入るものがなくなる分、仕入れコストが下がるのだという。

このアプリを開発しようと思ったきっかけについて尋ねたところ、岡本さんは、「日本の未来の食卓を変えたい」という思いがあったと話す。安い魚だけではなく、今まで高くて手に入らなかった魚も食卓に並ぶ時代を作りたい、その一心でこの事業を始めたという。

そう聞くと、無類の魚好きなのでは?と予想するが、岡本さん自身、魚が食べられない。それではなぜ魚を日本の食卓に並べたいと考えるようになったのか。その理由として、岡本さんの祖父が漁師だったこと、そして昔から水産業が好きで、アプリ開発前には3年ほど魚屋で修行をしていたというエピソードを明かした。

魚屋では、魚の物流を勉強したいという思いで従事していたそうだが、どんなきっかけで「日本の未来の食卓を変えたい」と考えるようになったのか。いい魚を提供することは、魚屋として従事していた当時、当たり前のことだと思っていた。そのため、それ以外にできることはないかと考えたそうだ。そもそも、「お客様を笑顔にさせることが、我々ができる最大のエンターテインメントではないか」と岡本さんは考えているという。

現在の会社でも、例えば、お正月のくす玉に、魚と「新年あけましておめでとうございます」という紙を一緒に入れて割る、といったようなエンターテインメントを行った。このように「魚以上の喜びを提供する」というのが岡本さんのモットーであり、一人の笑顔が、多くの人の笑顔に変わり、みんながハッピーになることが一番の目標だと述べた。

最後に、今後の目標について尋ねると、岡本さんは「ITひとつで世界をつなげ、未来を変える」ということが一つの目標だと話した。ITというのは、現在のところ、産直魚市場というアプリのことを指す。今後は、アプリで海外輸出を行うことも考えているそうだ。

岡本さんは、すでに東南アジア向けて海外輸出を行っており、そこから世界に広げたい。そして、いずれは世界中の人たちに、「日本の魚」を出荷するのではなく「日本の文化」を出荷したいと意気込んだ。日本には、おいしい魚があるため、それを海外の人々にもっと知ってほしいと思っているという。

産直魚市場のアプリがあれば、業者は魚市場に出向いて仕入れる時間を短縮でき、例えばお店の仕込み等に時間を使うことができるなど、大きな可能性がある。このアプリが日本で、そしてやがては世界へ広まることが期待される。

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