コロナ禍で世界的に注目されるビタミンD。食事、日光浴、サプリメント…あなたの摂取方法はどこから?

2021/02/02
マガジンサミット編集部

新型コロナウイルスがパンデミックを引き起こし、世界的に人々の健康意識が高まるなか、健康食品業界の専門誌『Nutrition Business Journal』は、2020年におけるアメリカのサプリメントの売上高が52億ドルに達すると予想し2019年に比べて51.2%成長すると発表しています。

アメリカの店頭販売シェアでトップを誇るサプリメント「ネイチャーメイド」を製造するファーマバイト社の品質責任者Martin Dennison(マーティン・デニソン)氏は「とくに、ビタミンD、マルチビタミン、ビタミンC、亜鉛などの需要が増えている」と話します。

※©2020,Information Resources Inc. スキャントラックサービスを使用した収集データ(2019年:サプリメントビタミンカテゴリー対象)に基づく

なかでもビタミンDはアメリカで「2019年に購入したサプリメントに関する調査」(ConsumerLab社調べ/有効回答9,782人)で、人気のサプリメント1位であり、市場は毎年伸び続けています。2010年から2019年までの10年間で市場は2倍近くに拡大し、10億ドルに到達しました。

日本人は慢性的なビタミンD不足?

ビタミンDの主な作用として、腸管でのカルシウム吸収を促進し骨の形成を助ける働きがあります。2016年の度国民健康・栄養調査よると、20歳以上の日本人におけるビタミンD摂取量の平均は7.8μg/日(男性:8.2μg/日,女性:7.5μg/日)であり、これは、「日本骨粗鬆症学会」による骨粗しょう症の予防と治療ガイドラインの推奨摂取量10~20μg/日と比べると不足気味となっています。

ちなみにアメリカ・カナダの食事摂取基準は70歳以下では15μg/日、それ以上の年齢では20μg/日、またIOF(国際骨粗鬆症財団)では20μg/日が推奨されており、このような状況を鑑みてか、最新の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、基準値の目安量が従来の5.5μg/日から8.5μg/日へと引き上げられています。

ビタミンDの摂り方あれこれ

ビタミンDは脂溶性ビタミンで、主にサケやマグロ、サバなどの魚類や舞茸、キクラゲなどのキノコ類に多く含まれ、また、皮膚に太陽(紫外線)を浴びることで生合成されるという特徴があります。

体内で日常的にビタミンDを生産するならば、食事やサプリメントから摂る他、顔や両手の甲にあたる面積を露出し屋外で日光に当たる方法が適当です。冬季の日光浴の目安は、昼時に【札幌(北海道)】で76分、【つくば(茨城県)】で22分、【那覇(沖縄県)】で7.5分ほど浴びるのがもっとも効率が良いそうです。(12月の12時測定。出典:J Nutr Sci Vitaminol(Tokyo). 2013 ;59(4):257-63.)

とはいえコロナ禍で外出する機会が減っているうえに、気温が低く寒い冬場…なかなか気軽に日光浴ともいかないかも知れません。脂溶性のビタミンDは油と一緒に摂取するのが効果的。サケやサバ、舞茸などを炒めたり揚げたり、ほくほくアツアツなお家ご飯で美味しく摂る方法もありますね。この冬、健康的な毎日を目指すためにも、それぞれの生活スタイルに合わせた摂り方を試してみてはいかがでしょうか。

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