『月刊WiLL』(ワック・マガジンズ)が2016年3月に編集方針の違いを理由に、編集長花田紀凱氏を解任。それを受けて編集部全員(5人)とDTP担当者がそろって飛鳥新社に“電撃移籍”した。
電撃移籍した花田紀凱氏以下、編集部スタッフは飛鳥新社にて『月刊HANADA』を新創刊し、一方、ワック・マガジン社では、同社の隔月刊歴史雑誌『歴史通』の編集長の立林昭彦を新編集長とし、引き続き『月刊WiLL』の発行にあたるとしている。
飛鳥新社HPより
この電撃騒動。双方の言分がバトル化しWEBで話題になっている。
そもそも『月刊WiLL』の編集部がまるごと移籍すること自体、かなり穏やかではないが、ワック・マガジン側は、その移籍に対し3月23日のWEB月刊『WiLL』“読者の皆様へ”にて「辣腕編集者だけによきライバルとして送り出したいと思います」と、長年の花田編集長の『月刊WiLL』への尽力をねぎらっていた。
WAC HPより
しかし3月28日のWEBの“お知らせ”で、弊社取締役花田紀凱氏の解任の理由が“十全には理解できない”と株主の質問に答える形で、花田氏の移籍には会社の経営方針に従わない業務命令違反があったとしている。
ワック・マガジン側は、花田氏が、編集部全員を飛鳥新社に移籍させ"New WiLL" なる名称で創刊させるために勧誘。さらに花田氏の際限のない増ページにより、年間約三千万円以上の損失があったこと、また、AV監督の人生相談、爆笑問題の対談など、本来『WiLL』にそぐわない記事が増え、編集方針が合わなくなっていたことなどを挙げている。
それ以外にも、花田氏の編集費私的流用ともとれるような記述や、社業をおろそかにしていたことなども挙げ、世間で「単純な夫婦の痴話げんかのように書かれていることに対し、噂が肥大するだけ」だとし、今回、花田氏の解任理由を公にしたとしている。
『月刊WiLL』は2004年11月に創刊。元『週刊文春』編集長・花田紀凱氏が編集担当し、週刊文春よりもさらに大きく保守的な路線とされている。取り上げるテーマは、政治、経済からスポーツ、芸能まで多岐にわたり、最近は左派よりの記事が目立つといわれていた。