【こけし】は子消しというのはガセだった!ガセの源は作家のアイデア?

2019/01/21
放送作家 石原ヒサトシ

今、愛好家が増えていてこけし大好き女子は「こけ女」と呼ばれるほど。例えば、お笑い芸人「たんぽぽ」の川村エミコさんは約70体のこけしを所有するほどのマニアとして有名だ。

ところでこのこけし、“何のためのもの?”と単純な疑問を持ったことはないだろうか。いつ頃、どこで、誰が、何のために、どういう意味で作ったのか? けっこう謎が多い。

実は、こけしは「子消し」が語源と聞いてドキッとした。「こけしは昔、貧しい子沢山の家庭で子どもを死なせてしまったため、その子を供養するために身代わりとして作られた物。それ故、こけしの語源は“子消し”」とする説がある。昔の民話にあってもおかしくなさそうだ。

そこで書物などを見て調べてみた。

こけしの起源

こけしは江戸時代の後期、東北地方の温泉地で誕生したとされる。

発祥地は、文政(1804~1830年)に宮城県蔵王連峰にある遠刈田(とおがった)が有力とされ、そこから広まったとのこと。福島県の土湯(つちゆ)、宮城県の鳴子(なるこ)と「こけしの三大発祥地」と呼ばれている。

最初は、仏器や神器などを作っていた木地師が木材のあまりを子供用のおもちゃとして作って与えていた物だという。子供はお人形として、おままごとに使っていたりしたそうだが、それが湯治客の目に止まり好評だったため、きれいな彩色を施して土産物として売られるようになった。湯治客の多くは農民で、木地師が作る美しいこけしは、いつしか心身回復、五穀豊穣を祈る縁起物と珍重され全国へ広がっていった。

「子消し」都市伝説

こけしは「子消し」または「子化身」が語源ともされるという。こんな都市伝説を聞いた。

『子どもの頃からこけしが大好きで100体以上を所持し可愛がっていた女性が結婚し、子どもが生まれた。しかし子どもは病弱で、幼くして死んでしまった。彼女は結婚して実家を離れ、夫と新居で暮らしていたのだが、家を出る際、大事に可愛がっていたこけしを一体も持っていかなかった。

久々に実家へ帰省し、自室に飾ってあったこけし中の一体を見て「ギョッ!」とした。顔が変わっている・・・よく見ると、亡くなった子どもの顔にどことなく似ていた。こけしがヤキモチを焼いて子を消したのだろうか。』

『幼い二人の子どもを乗せて運転していた母の車に信号無視のトラックが追突。車は無残な形になり、母は足を骨折する大怪我を追った。ところがぶつけられた車の左側の助手席側と後部座席にいた二人の子どもは、軽いムチウチ程度という軽症で済んだ。警察も医者も「奇跡」だと言った。

自宅へ戻り、神棚へお礼を言おうと見上げると仰天した。神棚の近くに2体のこけしを並べてあったのだが一体の首がころりと落ちており、もう一体はなぜか足の部分が欠けていて倒れていた。こけしが子どもの身代わりになってくれたのか。』

こけしは「子消し」「子化身」が語源とする説は本当なのか? 

ガセだった

その昔、こけしは地域によって呼び方が様々で、「きでこ、でこころ、でくのぼう、けしにんぎょう、こげす…」などたくさんあった。そこで、1940年(昭和15年)東京こけし会総会「第一回現地の集まり・鳴子大会」で、ひらがなで「こけし」と呼ぶことを正式に決定した。

問題は「子消し」「子化身」を由来とする説がどこから出たのか? 

ガセの源は?

1965年頃、詩人の松永伍一が悲しい創作童話の中で作り上げたもので、こけしを「子消し」と字を当てたことがきっかけとされる。テレビなどで取り上げられたため、こけしは一転バッドなイメージを持たれるようになったとか。

つまりは、一人の作家のアイデアで書かれた当て字が独り歩きしてしまい、オカルトな伝説を生むようになってしまったということ。こけしはただの可愛いお人形なのだ。

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この記事を書いた人

放送作家 石原ヒサトシ

放送作家 「クイズ雑学王」、「ボキャブラ天国」等 バラエティを中心にイロイロやってきました。なんか面白いことないかなぁ~と思いながら日々過ごしています。野球、阪神、競馬、ももクロ、チヌ釣り、家電、クイズ・雑学、料理、酒、神社・仏閣、オカルトなことがスキです。

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