志村ロスは永遠に 志村ファンに読んでもらいたい絵本とは…

2020/04/20
N田 N昌

ご存知の通り、ニュースもワイドショーも新型コロナウイルス一色でございます。さらに、ドラマもバラエティも再放送、総集編が急増中でございます。

それも残念なことではありますが、なにより一番辛いのは、大切な命がたくさん失われていることでございます。連日、感染者数と共に亡くなられた方の数が報道されております。

先日、肺炎のために亡くなられた志村けん(享年70)さまも、そのおひとりでございます。本当だったら、何日間、何週間も志村さんの追悼番組一色になっていたはずでございます。しかし、このご時世でございます。コロナ報道一色で、志村さまの死がまだ現実として受け入れられない方も少なくないと存じます。

わたくしも、そのひとりでございます。

ショックを受けている方の数は、はかり知れません。世代を超えて人気を誇っていらっしゃった方でございます。また、これほど、悪口、悪い噂を聞かない方もいなかったのではないかと存じます。マツコ・デラックスさまがショックのあまり番組の収録を前日キャンセルしたという話もございましたが、いたるところで、そのような話を耳にいたします。

コロナのニュースに紛れて、このまま、志村さまが亡くなっていないことにできないものかと、考えたりもする今日この頃でございます。

そんななか、いち志村ファンとして、また絵本に携わる人間として、追悼の意を込めて、僭越ではございますが、志村ファンの方々に、子どもから大人まで楽しめて、いつでも志村さまを思い出すことができる絵本を共有、ご紹介させて頂ければと存じます。

「ブタヤマさんたらブタヤマさん」(作・絵:長 新太 出版社:文研出版)

作者は、長新太さまでございます。ナンセンス作家として一時代を築かれた大絵本作家さまでございます。

人気番組『マツコの知らない世界』(TBS)の「絵本の世界」の回でマツコ・デラックスさまが「長新太作品を全巻揃えたいわ」と、ドハマりした作家さまでございます。他の番組ですが、又吉さまの長さまの絵本を絶賛されておりました。

長さまも志村さま同様、ナンセンスの世界で一時代を築き、大人から子供まで、幅広いファン層に人気を誇ったという共通点をお持ちなのでございます。志村さまが絵本について語っているところを観たことはございませんが、長さんの絵本を読まれたら、きっとマツコ・デラックスさまのように、ドハマりされたのではないかと。

 

この絵本を選んだ理由は、これだけではございません。

『8時だョ!全員集合』時代、「東村山音頭」「♪カラスの勝手でしょ〜の替え唄)」と並び、有名なのが、「志村、うしろ!うしろ!」でございます。今でも「志村うしろ的な」などと、普通に使われているアレでございます。

実は、こちらの絵本、そのシチュエーションが体感できる絵本なのでございます。「志村、うしろ!うしろ!」と同じコンセプトの絵本なのでございます。

内容をご紹介すると…

主人公のブタヤマ(たぶん豚)さんは、虫捕り網を片手に一生懸命、ちょうちょ捕りに励んでおります。そんなブタヤマさんの背後に、おばけや、大きなイカやヘビなどが次から次へと迫ってくるのでございます。しかし、志村さま同様、ブタヤマさんは、それに、まったく気が付かないのでございます。そのたび、読者は「ブタヤマさん、うしろ!うしろ!」と叫んでしまうのでございます。

全員集合世代の方々は、懐かしいあの感覚を再び体感できるのでございます。

 

(文:絵本トレンドライター N田N昌)

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この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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