クリスマス自分に贈りたいご褒美「大人絵本」 時間のある夜、浸りたい……

2019/12/04
N田 N昌

クリスマスでございます。最近は、自分に贈るご褒美プレゼントなるものも定着しているようでございます。

そんななか、マガジンハウスが月刊発行している人気ライフスタイル情報誌「Hanako」の最新刊(2020年1月号)では、第2特集として、『大切にしたい、私への贈りもの。』という企画が掲載されております。

1年が終ろうとしている季節に、1年の頑張りをねぎらう為に自分にギフトを贈ってみようというコンセプトで、ジュエリー、家具、日用品、美容グッズ、食品などが紹介されております。

ところが!でございます。この中に絵本が含まれていないのでございます。

昨今、「大人絵本」(大人をターゲットにした絵本)が、若い女性を中心に人気急上昇中なのにもかかわらず!でございます。

時間のある夜、ない夜、仕事や人間関係で疲れて帰宅した貴方を優しく癒してくれるキングオブアイテムでございます。

お気に入りの映画を観る感覚で楽しめ、癒されるのでございます。さらに、絵本のいいところは、2時間眺めていてもいいし、5分でも読めてしまう、癒されてしまうところでございます。

映画と同様、観るたび読むたびに発見もございます。毎回、違った感じ方ができるのも絵本の魅力でございます。大人絵本の魅力、まだ、未体験の方、是非是非、2019年のうちに体験頂きたいのでございます。

余談ですが、「Hanako」の関係者の方がもし、これを読まれておりましたら、次回の贈り物特集の際、是非是非、お声掛け頂ければと……。

前置きが長くなりました。本題にもどります。

「クリスマスプレゼント」でございます。オシャレで、長年、愛用できるものをご紹介いたします。もちろん、友人、同僚。先輩、後輩へのプレゼントとしても間違いナッシングでございます。まずは、こちら。

「Michi」(作:junaida 出版社:福音館)

美しい画集やコマーシャルアートで人気の画家、junaida(ジュナイダ)さまの絵本でございます。とにかく上品なのでございます。上質なのでございます。

本の厚さも2センチ以上あり、画集と間違われてもしかたがナッシングな重厚なたたずまいの絵本でございます。

実はテキスト(ストーリー)もございません。でも、絵本なのでございます。

ページをめくるたび、様々な町が描かれております。どこかにありそうな町、昔の町、空想の町、…。その町の中には道が描かれております。1本ではありません。その道の周りには、その町で生活する動物や人物も描かれております。

そう!読者がその道を歩きながら、物語を紡いでいくのでございます。

その道を歩いている自分を想像しながら、絵本の中の町を旅することができるのでございます。不思議な感覚、体験ができる絵本なのでございます。

さらに、この絵本。左(「Michi」と書いている側)からめくれば、男の子。右(「みち」と書いている側)からめくれば、女の子が出発。ちょうど真ん中のページで、男の子と女の子が出会うように構成されております。お見事でございます。

画も上質なら、構成・演出も上質でございます。

まさに大人が楽しめる大人絵本でございます。時間のある夜、この絵本をお供に贅沢な癒しの時間を過ごして頂きたいのでございます。

そして、もう一冊。

こちらは、11月に出版されたばかりのjunaidaさんの新作でございます。

「の」(作:junaida 出版社:福音館)

こちらは、テキストがございますが、ただのテキスト(文章)ではございません。

助詞の「の」で、junaidaさまの美しい絵を繋いでいく絵本でございます。

言葉と言葉の間で鎮座する「の」の存在とその可能性、魅力を思う存分楽しめる作品でございます。

こちらの構成・演出もゴイスーにシャレオツでございます。大人が何度も何度も読み返したくなる絵本でございます。何十年も傍に置いておきたい本でございます。

(文:絵本トレンドライター N田N昌)

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N田 N昌
この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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