アメリカの子供たちが人生最初に体験するアメコミ「ドッグマン」とは

2020/01/13
N田 N昌

「ドッグマン」というタイトルを初めて耳にしたという方も少なくないのでは。

でもこちら、累計2300万部。ニューヨークタイムズのベストセラーランキングの「児童書シリーズ部門」でハリーポッターを抑え、ずっと1位を独走中なのでござ

「ドッグマン」(作:デイブ・ピルキー 訳:中井はるの 出版社:飛鳥新社)

この「ドッグマン」、アメコミとご紹介いたしましたが、正確には「ブリッジブックス」。絵本と本の間をつなぐ役割を担うジャンルでございます。

親から読み聞かせをしてもらう絵本から、自分で読む本へ移る最初の1冊的なポジションでございます。ちなみに、日本でいうと「かいけつゾロリ」や「おしりたんてい」にあたるかと。

では一体、どんな内容なのか……

まさにアメコミ、アベンジャーズ的な内容になっております。日本の漫画のような繊細さはなく、ハチャメチャ感がゴイスーなストーリーでございます。

世界中の本の文字を消し、全人類をバカにしたり、最強兵器“生き生きスプレー”で生命を手に入れたホットドッグが世界征服を試みたり、そんな内容になっております。そうそう、主人公のドッグマンは、犬の頭と人間の体がくっついたヒーローでございます。強靭な体をもつおバカな警官と体は弱いけど頭脳明晰な犬でございます。普通逆だろう!と思うのは大人の証拠でございます。

こちらの「ドックマン」の最大の特徴は、「ひょっとしてコレ、子供が描いたのでは?」と思えるような、子供の発想で描かれております。全編、ハチャメチャでございます。絵も子供が描いたようなタッチで描かれております。

日本にはないタイプの児童書でございます。そういう意味でも一見の価値ありでございます。

作者のデイブ・ピルキー様は、子どもの頃、ADHD(多動性障害)、ディスレクシアでございました。そんな彼が大好きだった漫画に打ち込んで、その才能を開花させたのでございます。昨今、教育現場でも発達障害の子供に対し得意な才能を伸ばすような指導をするようになってきておりますが、まさに、その成功例ともいえるのでございます。

そんな「ドッグマン」が、実はもう日本上陸を果たしております。2019年5月に第一巻、そして、先日11月末には第二巻も発売になっております。

アメリカのアメコミデビュー本、是非チェックしてくださいませ。

(文:絵本トレンドライター N田N昌)

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この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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