イマドキ高校生の会話ネタ「タレント」より「YouTuber」が多数派!「スマホありき」の世代はセキュリティに無頓着な一面も

2019/02/15
佐藤 勇馬

NTTドコモが「学生のスマートフォン事情」をテーマに、高校生・大学生の男女300人を対象にした調査(調査期間:2018年12月18日~12月20日)を実施。デジタルネイティブ世代は「テレビタレントよりもYouTuberの話題が多い」などスマホありきの生活でネットに慣れ親しんでいる反面、リスクに無頓着な一面が浮き彫りになった。

高校生の会話ネタで多いのは「YouTuber」

はじめに「学校の友人と会話をすることが多い話題」について聞いたところ、「スマホで見たSNS・動画・アプリなどの話」が約8割(78%)に。「テレビで見た番組の話」(58%)、「雑誌で見た記事や漫画の話」(30%)を大きく上回ってダントツの結果となった。

「友達との会話にあがることがより多い話題」を聞いた質問でも、テレビのドラマやバラエティ番組よりも「YouTuber」の方が会話に上がることが多いという結果に。高校生においては、「テレビタレント」(33%)よりも「YouTuber」(37%)の方が会話にのぼることが多いという事実が判明した。

また、YouTuber、VTuber(バーチャル・ユーチューバー)、TikToker(TikTokユーザー)をはじめとした人気動画クリエイターについての知識がなければ「友人との会話についていけないと思う」と答えた高校生も約3人に1人(31%)にのぼった。デジタルネイティブ世代にとっては、芸能人よりYouTuberの方が有名人といっても過言ではない状況だ。

コミュニケーションで重要な「動画」

高校生・大学生ともに、友人とのコミュニケーションにおいて特に重要な存在となっているのが「動画」。
今回の調査でも「友人とスマホで動画を見ながら会話をすることがある」と答えた学生は53%にのぼっている。「友人とスマホで動画を撮影・投稿して楽しむことがある」という人も約4割(39%)という結果となった。

一方で、動画コンテンツはデータ通信料(パケット料金)がかさみがちなこともあってか、「学校の友人とコミュニケーションを十分に楽しもうとすると、スマホの料金が高くなりやすい」と答えた学生が約4人に1人(24%)。「スマホの料金プランは、学校の友人とのコミュニケーションに影響すると思う」と答えた学生も3割(30%)となり、スマホの料金プランが友人関係に直結するという実情が浮かび上がっている。

「現在のプランでは、スマホのデータ通信容量(パケット容量)が足りないと感じることがある」と答えた学生は、高校生で45%と約半数、大学生でも33%にのぼり、データ通信料の問題は彼らにとって大きな悩みとなっているようだ。

無料Wi-Fiの活用…万全ではないリスク管理

データ通信料を気にする学生たちが活用しているのが、交通機関やカフェなどに設置された無料Wi-Fi。
今回の調査でも「無料Wi-Fiの利用経験」がある学生の割合は90%と高かった。また、具体的な「無料Wi-Fiの利用頻度」については「週に1回以上」と答えた人が63%。そのうち「週に4回以上」と答えた割合は全体の約4人に1人(24%)にのぼり、多くの学生が日常的に無料Wi-Fiを利用している状況が浮き彫りになっている。

しかし、公共の場の無料Wi-Fiはセキュリティ面においてリスクが高く、個人情報やクレジットカード情報の漏洩、ウイルス感染などにつながる危険性がある。だが、学生たちに「無料Wi-Fiのセキュリティリスクを知っていたか」と質問したところ、4人に1人(24%)が「知らなかった」と回答した。

また、近年は「詐欺アプリ」を通じたスマホユーザーの犯罪被害が増えており、高額なサービス料金を請求されるケースも増えている。「詐欺アプリの存在を知っていたか」と質問したところ、約3割(29%)が「知らなかった」と答えた。「知っていた」と回答した人でも「具体的な対策はできていない」という学生が66%と7割近くにのぼっている。

デジタルネイティブ世代はネットに慣れ親しんでいる反面、セキュリティの対策や知識については万全と言い難い状況が浮き彫りになっている。

「学生たちのスマホ事情」に専門家は

こうした結果について、世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは「先生や友達、家族との日常的なコミュニケーションも、デジタルネイティブな彼らは『スマホありき』が当たり前。クラスメイトとも、リアルな会話のほか、クラスでSNSグループ(クラスチャット)を作り、事務的な授業・部活の連絡からお互いへの励ましまで、幅広く活用しています」と解説。「SNSグループのメンバー作りは入学前、すでに受験で合格したタイミングから始まっている場合も少なくありません。彼らにとってスマホは、もはや仲間との関係作りや学校生活の充実に、欠かせない存在になっているのです」と現代の学生事情を分析している。

その一方、牛窪さんはセキュリティ意識の問題について「現代の高校生・大学生は、子どもの頃からデジタルに慣れ親しんでいる世代だけに、かえってリスクに無頓着な一面があるのは否めません。今後はスマホ本体の紛失対策も含め、個人情報が詰まった一台を、どう安全に管理・活用するかが問われる時代になりそうです」と指摘。無防備な無料Wi-FiやSNSの利用によって、学生たちが被害に遭う危険性を訴えている。

学生たちにとってスマホは生活の必須アイテムとなっているが、彼らがスマホのヘビーユーザーになればなるほどデータ通信料やパケット容量は親世代にとっても気になる問題だ。

NTTドコモは、余ったパケットを子供にシェアできる「ベーシックシェアパック・ウルトラシェアパック」や通信料がおトクになる「ドコモ光セット割」などさまざまな料金プランを展開し、特設サイトを通じて自分や家族にぴったりのプランが分かる「料金シミュレーション」なども用意。さらに、安全なWi-Fiスポット「docomo Wi-Fi」や、サイトだけでなくアプリにも対応した「フィルタリング」機能などを充実させ、安全・安心なスマホ利用をサポートしているとアピールしている。

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佐藤 勇馬
この記事を書いた人

佐藤 勇馬

新宿・大久保在住のフリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にスカウトされて以来、芸能、事件、ネットの話題、サブカル、漫画、プロレスなど幅広い分野で記事や書籍を執筆。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など。 Twitter:ローリングクレイドル

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