可視化したらヤバかった…バイ菌だけじゃない!インフルエンザにもアルコール除菌が有効

2018/01/23
マガジンサミット編集部

「インフルエンザA型とB型の患者さんが同日に来る…従来、B型が流行するのは2月~3月頃と遅いが、今年は例年に比べて早く両方かかる患者さんも多い」そう話すのは「芝大門いまづクリニック」の今津院長だ。

さらに院長は「去年の9月には都内でインフルエンザによる学級閉鎖があり、例年よりも早い時期から流行が始まっている」と2017年の傾向を振り返る。今季はワクチンの製造開始が遅れ、ワクチン不足というニュースも記憶に新しい。猛威をふるうインフルエンザを予防するため「うがい」「手洗い」「マスク着用」以外に、我々ができることはあるのだろうか。

 

その手洗いが感染を広めている?!防ぐ有効手段は?

都内で「インフルエンザウイルスの家庭内感染経路」を可視化する実験イベント「INFLUENZA HOUSE(インフルエンザハウス)」が行われた。インフルエンザ予防対策の基本である手洗い・うがいだけでは、家庭内における二次感染・三次感染を防ぎきれないということをより多くの方に体験していただくため、ジョンソン株式会社が開催したもの。

今津院長監修のもと「インフルエンザウイルスの家庭内感染経路に関する検証」を実施した。

 

実験では、母親役と子役が帰宅してからおやつを食べようとする日常のシーンを再現。今回は、分かりやすいよう蛍光塗料をインフルエンザウイルスに見立てており、ブラックライトを使用した「接触感染」による感染経路の確認や、インフルエンザウイルスにおけるアルコール除去の有効性について解説が行われた。写真のように「手洗い」を済ますまでの間にドアノブや水栓金具などを中心に蛍光塗料が付着しているのが分かる。

ブラックライトで照らすと取材記者たちから「おお…」と唸り声があがる。

今津院長は「インフルエンザの接触感染を防ぐうえで意識すべきポイントは2つ。1つは、無意識に日々触る箇所にウイルスは潜んでいるということ。もう1つは、ウイルスは自然発生しないので、”自分の身体”がウイルスを運んでいるということ。これら2つを意識してほしい」と説明した。

インフルエンザウイルスの予防対策として「手洗い」「うがい」は基本だが、外出したそのままの手でノブや水栓金具を触ってしまうとそこから「接触感染」してしまう危険性があるのだ。

 

水拭きでは殺せない! どうしたらいいの?

「接触感染」を防ぐ方法の1つとして「アルコール除菌」が有効だと今津院長は話す。ある実験で、アルミ板にインフルエンザウイルスをまき、ティッシュに水とアルコールそれぞれを含ませたところ、両方とも100%拭き取ることができた。しかし水を含ませたティッシュには、そのままインフルエンザウイルスが付着していたという。

水拭きしたダイニングテーブル。拭いたカタチで拡がっている。

 

「水拭きのタオルでは、せっかくウイルスを拭き取っても裏を返して拭き直すなどすれば、そこから広がり「接触感染」してしまう。病院では、院内感染を防ぐ手段として必ず手洗いした後にアルコール消毒する」と説明。「手洗い」「うがい」ももちろん重要だが、帰宅したらまず「アルコール除菌」を心掛けてほしいと訴えた。

また、まな板などはアルコールで拭くことで素早く除菌できる。アルコールは揮発するので、食中毒の季節には、市販されている口に入っても問題のないアルコールで布巾やお弁当箱を消毒するのも良い※と今津院長は話す。※アルコールで死なない等のウイルスもある。

 

風邪やインフルエンザに罹りにくい体質を目指す

さらに今回のイベントでは、今津院長が食材をセレクトし料理研究家のカンナ氏が作りあげた「免疫力をあげるレシピ」も披露された。

Can'Na カンナ先生。豊洲のキッチンスタジオ、千葉のアトリエを中心に、おもてなし料理の研究や料理教室を主宰する。

 

抗酸化作用のある「赤ピーマン(パプリカ)」「レンコン」「トマト」を利用した料理は見た目も鮮やか。レンコンのネバネバのなかには抗酸化作用だけでなく、動脈硬化や血圧が下がる効果もあるそうだ。

左)から「赤ピーマンのムース」「レンコンのもちもちボール」「レンコンジュース」。レンコンの生ジュースが意外すぎるほど旨い!(調味料は特に入れてないそうだ)

 

パプリカは低温でゆっくり火にかけることで甘味がでてくる。スポイトのなかはハチミツとビネガーを混ぜたトマトソース。ジュレは、トマトに塩をふりかけて搾り、ペーパーで濾した透明な出汁とゼラチンでできている。

「レンコンのもちもちボール」は、搾り汁とカスを団子にしてコンソメで茹でたもの。作り置きをして味噌汁などに入れても美味しい。特にレンコンは皮ごと摩り下ろすことが大切だ。今津院長は「動物にはバイ菌から身体を守るために皮膚がある。野菜も同じく害虫から実を防御する機能が皮にある」と話し、皮の成分を取り入ることはプラスであり風邪予防にピッタリだと太鼓判を押す。

ちなみに、皮膚といえば、肌を擦って身体の体温をあげる「乾布摩擦」は風邪予防の理にかなっているそうだ。「皮膚のすぐ下に免疫細胞があるため、皮膚を刺激すると免疫力が上る効果があるのです」と今津院長。先人の知恵はあなどれないものだ。

今津院長は、「カビやバイ菌…タンパク質を含む菌などについては時間がたつと増えるが、インフルエンザウィルスは72時間で死ぬといわれ、その場で増えることはない」と説明し、接触感染経路に付着したインフルエンザウイルスを除去することで、確実に感染リスクが減ること。またインフルエンザ以外のバイ菌などにも有効で、二次感染・三次感染を広げないためにもアルコール除菌を習慣化して欲しいと話した。

今回の実験イベントを主催したジョンソン株式会社では、「インフルエンザで寝込む主婦をイケメン夫が看病する妄想胸キュンムービー」結果を踏まえた啓発Web動画を19日より公開。風邪やインフルエンザは、どんなに予防しても100%防ぐことはできないものだ。もしも罹ってしまったら家族の協力も必要。予防とケアには、家族一丸となって取り組みたいものだ。

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