「時の記念日」に美しすぎる耐久試験。クリエイター鈴木完吾とシチズンのコラボ

2018/06/20
Shoichi Sato

圧倒的な技術力と意匠美で人気を博している時計のグローバルブランド、シチズン。創業100年を迎えた同社は、「時の記念日」である6月10日から24時間にわたり「シチズン アテッサ」の新商品、「フローズングレー限定モデル」のキズ耐久試験を実施しました。

これまでも上空30mのヘリコプターから腕時計を落下させるなど、趣向を凝らした耐久試験で世の中を驚嘆させてきた同社。今回は世界唯一の“美しすぎるカラクリ時計型試験装置”を使い、アテッサの表面に金属球を24時間落とし続け、打痕や擦り傷をチェックしました。

当たった金属球は実に3,766発。しかし、大きな損傷も見られず、その美しさを保ちながら時を刻み続けました。この実験の一部始終はスペシャルサイトで生配信されており、同社の技術力が改めて証明された形に。

©K/Suzuki

試験に使用された「機械仕掛けの耐久試験装置」は、クリエイター鈴木完吾氏が担当しました。鈴木氏は東北芸術工科大学在籍時に、卒業制作カラクリ時計「書き時計」をツイッターで公開。数時間で10万RT超、YouTube再生回数100万回以上を達成し、一躍“時の人”となりました。

設計から制作まで計約3カ月。アテッサのデザインに寄せて制作された、高さ750mm幅800mmの耐久装置。パーツは250にも及びます。木質繊維を原料とする成型板の一種、MDFで作られており、繊細な美しさを醸し出しています。

「僕なりの耐久装置とはどういうものか、模索しながら制作した。コストと24時間作動させることを考えた結果、反りの少ないMDFを採用。書き時計で得た知識を参考にしつつ、新たな設計や機構を取り入れて完成させた」と話す鈴木氏。

特徴的なのは、大きな動きで金属球を上部へ運ぶアーム。これは「視聴者が見ていて面白いものを」と考えられたギミックで、重機の動きを参考に開発したそうです。

ステンレスの5倍以上の強度、スーパーチタニウム™

©CITIZEN WATCH CO., LTD. 

アテッサに採用されているのは、シチズン独自の表面硬化技術「デュラテクトMRK」を施したスーパーチタニウム™。この技術をケースとバンド部分に用いることで、耐傷性に優れたモデルが誕生しました。デュラテクトは、車のエンジン部分などに採用されている技術。ちなみにスーパーチタニウム™の強度は、ステンレスの5倍以上とされています。

耐久試験を終えたシチズン担当者は「SNSで発信できるような、見ていて楽しい耐久試験をしたかった」とし、「途中、メンテナンス時間などもあったが、それも含めて楽しめた企画だったと思う」と話しました。

鈴木氏が手がけた「機械仕掛けの耐久試験装置」については「鈴木氏とシチズンは元々親交があり、今回の装置制作も快諾してもらえた。美しくてインパクトがある装置に仕上がった」と語りました。

「機械仕掛けの耐久試験装置」は今後、期間限定でGINZA SIXに展示され、最終的にはシチズンミュージアム(西東京市)で展示される予定。腕時計と耐久装置の、強くて美しいコラボレーションでした。

美しすぎる耐久試験 for ATTESA スペシャルサイト

http://citizen.jp/attesa/special/frozen-gray/special.html

 

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この記事を書いた人

Shoichi Sato

地域ミニコミ紙の編集記者、広告代理店を経てフリーライターとして活動中。趣味は山登りなど、スポーツ全般の元高校球児。未確認生物や宇宙、戦国時代 などが好きなロマン追求型。座右の銘は「気は遣うものではなく、配るもの」。 ブログ:s1-thats-WRITE

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