スケートボード「日本オープン・ストリート選手権男子」池田大亮が優勝!

2019/02/25
放送作家 小嶋勝美

2月24日、足立区にあるムラサキパーク東京にて、2020年東京五輪の追加種目スケートボードの強化選手選考会を兼ねる「日本オープン・ストリート選手権男子」が行われた。今大会と5月に新潟県村上市で開催予定のJRSF全日本選手権大会の2戦の合算ポイントにて、2019年の強化選手が選出される。

開会式では日本ローラースポーツ連盟の宮沢武久スケートボード委員長より「パリ五輪(2024年開催)でもスケートボードが採用される可能性が非常に高い」と紹介されるなど、今後のスケートボードへの期待が語られた。

予選は45秒間自由にパーク内を滑走し得点を競う“ラン”を2本行い、得点の高い方を採用。決勝ではオリンピックでも採用される、ストリートリーグと同様の採点方式となるラン2本、ベストトリック5本を行い、計7本中高得点4本の合計得点で争われた。

女子の選考会は2月23日に行われ、藤澤虹々可が優勝している。

日本オープン・ストリート選手権男子結果

1位 池田 大亮 -29.2

2位 白井 空良 -27.5

3位 山下 京之助 -26.4

4位 青木 勇貴斗 -23.2

5位 池 慧野巨(けやき)-20.6

6位 末松 蓮 -20.0

7位 根附 海龍(カイリ)-18.5

8位 渡辺 雄斗 -13.4

男子ストリート予選

※犬川空汰「ハードフリップ」

予選1組目から高難度のトリックが披露された。

※星野大喜「バックサイドスミスグラインド」

現在休止中の宮城県石巻市のスケートパーク「ONEPARK」のTシャツを着て参戦。

※ 小鈴大和「オーリー」

バンクトゥバンクを使い、ありえない距離を飛んで見事メイク!

着地の瞬間、客席から歓声が湧いた。

※ 柿谷斗輝「フロントサイド180トランスファー」

長髪がトレードマークの柿谷選手は、シンプルながらスタイリッシュなトリックで魅せた。

※佐川涼「ハードフリップ フロントサイドボードスライド」

2017年AJSA年間チャンピオン、佐川選手の高難度なレールトリック。

男子ストリート決勝ラン

※ 渡辺雄斗「ハーフキャブ バックサイドスミスグラインド」

長身でスタイリッシュなスケートスタイルが見所の選手!

※ 池慧野巨「フェイキー スイッチバックサイドKグラインド」

昨年の第2回日本スケートボード選手権大会のチャンピオンはスイッチ系のトリックを中心に攻めた。

男子ストリートベストトリック

※ 末松蓮「トレフリップ テールグラグ」

デッキを縦と横に360度回転させ、さらに板の後ろをつかむ技。

※ 池田大亮「バックサイド270キックフリップ リップスライド270アウト」

昨年のTampa Am(アマチュア最高峰の大会)優勝者の滑りは圧巻!空中で体とデッキを270回転させ、さらにデッキを縦に一回転させてレールの上を滑り、体とデッキを270度回転させて降りる。というトリック名同様、説明も長くなるとても難易度の高い技。

※ 青木勇貴斗「キックフリップ バックサイドリップスライド」

ベストトリックでは他にトレフリップ50-50をメイク。

※ 白井空良「フロントサイド180 スイッチバックサイドKグラインド」

白井選手の十八番とも言えるトリック。

※山下京之助「ダブルトレフリップ」

デッキを横に1回転、縦に2回転させるこのトリックで、この日最高の7.9点を獲得した。

男女チャンピオン

※池田大亮・藤澤虹々可

気になるあの選手

コンテストなどで必ず「ONEPARK」というロゴが入ったTシャツで参加するスケーターがいる。星野大喜というスケーターだ。彼は宮城県石巻市のスケートパーク「ONEPARK」からサポートを受けるライダー。彼に少し話を伺うと「(単純に)Tシャツがカッコイイのと、ONEPARKの復活を願って」と答えてくれた。

ONEPARKは東日本大震災を経て、石巻のスケーターたちによって作られたが、2017年の夏より消防法などの理由から休止中となっており、アーティストの協力により署名活動が行なわれるなど、現在も再開に向けて動いている。

昨年、東所沢のSKiP FACTORYで行われた、東日本大震災の悲劇を忘れない為のスケートボードイベント「Don’t Forget Party」にはONEPARK代表の勝又秀樹さんや、東北を中心に活動するプロスケーター荻堂盛貴さんらが招かれ、集まった寄付金はONEPARK再開に当てられている。

今年のDon’t Forget Partyは3月10日に宮城県川崎町にある旧川内小学校体育館(川崎スポーツパーク)にて行われ、星野選手も参加予定との事。

もちろん、大会では勝つ事が目標だろうし、彼ら以外にも強い思いで大会に臨でいるスケーターは多いだろう。Tシャツ一つでこれだけの物語があるのだから、コンテストのパーク内にはいろんな人の想いが交錯しているのかもしれない。

写真・文 小嶋 勝美

スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。

約10年間お笑い芸人として活動後、現在は放送作家としても活動中。

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放送作家 小嶋勝美
この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

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