映画好きの大人に読んでもらいたいアカデミー賞受賞作家の絵本

2018/02/21
N田 N昌

いよいよ、アカデミー賞のシーズンでございます(発表は現地時間の3月4日の夜、日本時間5日の午前中)。今回で第90回とのこと。そもそもアカデミー賞はアメリカ映画の発展を目的として1929年にスタートしております。ただし、前年1年以内にロサンゼルス地区で1週間以上上映されていれば外国映画でも対象になるとのこと。

ですので、2002年には宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が長編アニメ賞を受賞しております。ちなみに、長編アニメ部門が設けられたのは2001年から。実は最近できた部門なのでございます。それに対し、短編アニメ部門は1931年から。短編の方が歴史が古いのでございます。

短編アニメアニメーション部門では、2008年に加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が受賞しております。初の邦画受賞作でございます。

水に沈みゆく街にある積木を積み上げたかのような家で暮らす老人を通して人生を描いた作品でございます。話題になったのでご存知の方も多いかと…。実はこの作品、絵本にもなっております。絵本の方では、加藤久仁生監督が絵を担当、文は、映画の脚本を担当した平田研也様が担当しております。

絵本の方も評価が高く、フランスのソルシエール賞を受賞しております。是非一度、絵本の方もご鑑賞くださいませ。

ちなみに、日本人で初めてアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされたのは、世界的アニメーション作家の山村浩二様でございます。2002年に「頭山」でノミネート、大きな注目を集めました。国際的な受賞は60を超える大御所アニメーション作家でございます。

と同時に、絵本作家としても有名。数々の絵本を手がけておられます。昨年発表になった「怪物学抄」も話題になっておりました。

「筋肉質な暗闇」「レントゲンケーキ」・・・、奇怪でシュールな怪物たちが続々登場する博覧会のような絵本でございます。中世ヨーロッパの怪物学者が覗いた世界を描いた大人向けのアート絵本でございます。とにかく、絵が魅力的なのでございます。他にも、「くじらさんのーたーめならえんやこーら」「パレード」「おやおや、おやさい」などなど、たくさんの絵本を描かれております。是非、一度ご体験くださいませ。

最後は、「アメトーーク」の読書芸人でカズレーザー様が紹介して話題になったこちら。

オーストラリアの絵本作家、ショーン・タンさまの作品でございます。こちら、絵に描いたような大人絵本でございます。文字は一切ございません。各ページ、コマ割りされており読み応え十分でございます。まさに映画を1本観た後のような読後感が味わえます。装丁もオシャレなので部屋に飾って置いても素敵でございます。

ショーン・タン様はイラストレーター、映像作家としても活動されております。アニメ作品「ロスト・シング」ではアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞されております。

ちなみに絵本の「アライバル」は、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞、アングレーム国際コミック・フェスティバル最優秀作品賞、世界幻想文学大賞、ヒューゴー賞、ディトマー賞最優秀芸術部門など、数々の賞を受賞、世界的に高い評価を得ております。

映画好きな方、是非是非、アカデミー賞受賞作家の絵本もご鑑賞くださいませ。

(文:N田N昌)

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N田 N昌
この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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