映画史に残る大発見!94年前の幻のロストフィルムが東京で見つかる

2020/02/28
佐藤 勇馬

長らくフィルムが現存しないロストフィルム(失われた映画)とされてきた無声喜劇映画『STOP, LOOK AND LISTEN』の16mmフィルムが2月に東京で発見され、国内外の専門家から「歴史的な大発見」との声が上がるなど話題を呼んでいます。

『STOP, LOOK AND LISTEN』は、1926(大正15)年1月にアメリカで公開され、日本でも1927(昭和2)年1月に『弗箱(どるばこ)シーモン』という邦題で公開された作品。

※ラリー・シモン

無声映画全盛期にチャップリン、キートン、ロイドらと並んで喜劇スターとして活躍したラリー・シモンが監督・主演を務め、伝説のお笑いコンビ「ローレル&ハーディ」の活動でも知られるオリヴァー・ハーディも出演しています。

※オリヴァー・ハーディ

日本では、作家の稲垣足穂がラリー・シモンの熱烈なファンとして知られ、本作についてもエッセイで「これはラリー・シーモンにこそふさわしいもので、たくみなトリツクにいつも僕を感心させてゐるものである(原文ママ)」といった感想を残しています。

今回発見されたフィルムは、作品60分のうちのラスト10分あまりが収録された最終巻。都内在住の歴史研究家・映像収集家の笹山俊彦さんが、愛知県の骨董業者から入手したモノクロ映像フィルムを確認したところ、古い無声喜劇の映像であることが判明。親交のあったクラシック喜劇研究家・いいをじゅんこさんに調査を依頼し、アメリカの無声喜劇映画研究家スティーブ・マッサさんの協力も得て、フィルムが『STOP, LOOK AND LISTEN』の一部であると突き止めました。

いいをさんは「無声映画の7~9割はフィルムが失われていて、ラリー・シモン主演の長編作品も、現在、全編あるいは部分のみでも観ることが可能なものはきわめて限られており、ほとんどの作品はフィルムが存在しない。したがって、部分のみとはいえ今回日本で『弗箱シーモン』の最終巻がほぼ完全な形で見つかったことは、ラリー・シモンの知られざる長編作品の一端を明らかにする上できわめて重要な意義がある。無声映画史に残る大変に貴重な発見だ」とコメント。

また、いいをさんは「ベビー・ペギー、チャーリー・チェイス、『しあわせうさぎのオズワルド』など、海外の無声喜劇フィルムが日本で発掘されるニュースがここ数年続いている。家庭鑑賞用に販売されたフィルムや玩具映画フィルムには、ロストフィルム(失われた映画)がまだまだ眠っているはずだ。古いフィルムは捨てず、ぜひお近くの博物館やフィルムアーカイブなどに託してほしい」と呼びかけ、ロストフィルムのさらなる発見に期待を寄せています。

今回発見された映像は、英ロンドンで4月に開催される、無声喜劇映画を特集した国際映画祭で上映される予定。日本では、2021年1月に開催される「神戸クラシックコメディ映画祭」で上映される予定とのことです。

 

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佐藤 勇馬

新宿・大久保在住のフリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にスカウトされて以来、芸能、事件、ネットの話題、サブカル、漫画、プロレスなど幅広い分野で記事や書籍を執筆。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など。 Twitter:ローリングクレイドル

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