僕らはきっと忘れない…面白記者会見を蒸し返してみよう

2018/06/01
南城与右衛門

悪質タックル問題の日大側の会見でブチギレる司会者、森友問題で保釈された籠池夫婦ののろけ会見など、今年は後世に残る面白会見が豊作です。これまでも深刻な問題をつまびらかにするという趣旨なのにどこか笑ってしまう会見はたくさんありました。

本人にしたら黒歴史、思い出してほしくないとは思いますが、忘れてしまうのももったいない。ということで、今回は後の世まで語り継ぎたい面白会見を蒸し返したいと思います。

船場吉兆 ささやき女将

大坂の高級料亭『船場吉兆』に2007年、食品の産地偽装や客の食べ残しを別の客に再提供するなど数々の不祥事が発覚。当初、パートらの独断と主張していた経営陣でしたが後に関与を認め会見。

出席した取締役で長男のK氏と女将である母のS氏。記者に詰問され口ごもるK氏、その隣に座っていたS氏はうつむきながら小声で「大きな声で」「頭が真っ白になった(と言え)」などとささやき、発言を指示。しかしこれがマイクに拾われ新聞や情報番組の恰好のネタとなりました。

雪印集団食中毒事件

2000年、大阪の工場で製造された低脂肪乳を飲んだ子供らが食中毒になった事件。被害者は約15000人にものぼりました。この騒動を受け、当時の社長I氏は記者から会見を求められると、「10分だけ」と時間を区切って指定。

これには記者も猛反発。するとI社長は「わたしは寝てないんだよ!」と逆ギレ。返す刀で記者も「こっちだって寝てない!子供が病院に行ってるんですよ!」と。社長は謝ったものの、このやりとりはあらゆるメディアでとりあげられ大きな非難を浴びる結果になりました。

辞職から2年……チャイナ服は書道のため 舛添要一氏

政治資金の私的流用などを指摘され東京都知事を辞職した舛添要一氏。在任中、様々な疑惑が噴出し定例会見では記者とそのやり取りがほとんどになっていました。その中でも伝説として語り継がれているのが政治資金で購入したというチャイナ服について。前提として知っておきたいのは書を海外の要人などにプレゼントすると喜ばれると舛添氏が主張していたこと。

舛添氏によると、普通の服で書道をすると腕が引っ掛かり筆がスムーズに運べないんだそう。一方、チャイナ服だとツルッとしていて書きやすいと説明しました。そこですかさず記者は「では、袖の無い服で書けばいいのでは?」と突っ込みます。すると舛添氏は「気温が低い時には……」と主張。つまり袖が無かったら寒い、という意味ですが、これには会場から失笑が漏れました。

腰パン、ドレッドヘアーの國母和宏氏

2010年バンクーバー五輪、男子ハーフパイプの代表となった國母選手。現地に向かう際の空港に現れた彼のいで立ちは腰パン、ネクタイを緩め、シャツの裾を出し、他の選手と比較すると大胆にラフな服装。またインタビューでもやや挑発的な発言があったためJOCなどに批判が殺到する事態に。

後日、ハーフパイプ陣の記者会見においてこのことがやり玉にあげられますが本人は「反省してまーーす」「(小声で)チッ、うるせえな」などと発言し再び批判が殺到しました。

現在は北海道の自然豊かな土地に居を構え、奥さんや子供と暮らしながらプロスノーボーダーに。競技には出場していないようですが、バックカントリーを滑る映像の演者として活躍しています。

人が亡くなってしまう事件の会見で笑えるものはありませんが、たいてい謝罪が伴う会見は潔いとされるか判然とせず怒りの火に薪をくべてしまいます。こういった会見では主役の憔悴加減と現場の緊張感が合わさり、ちょっとしたほころびからおかしみが生まれてしまうのは、必然なのかもしれません。

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"情報番組や誰も知らない深夜番組、ラジオなどを構成したり、ソーシャルゲームのシナリオを書いたりする、いわゆる駄放送作家。友達はPC、恋人は二次元、恩師はあらゆる漫画、といった充実した人生継続中"

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