【Hey!Say!JUMPアリーナツアー中止】公共施設での最悪ファンマナーもわかるがジャニーズも考えるべきでは?

2019/05/23
放送作家 石原ヒサトシ

2019年5月19日、Hey!Say!JUMP(以下、JUMP)ファンに衝撃が走った。2007年デビュー以来毎年開催を続けてきたアリーナツアーを今年は中止すると公式発表した。理由を聞いて驚いた人も多いだろう、なんと“ファンのマナーが悪いから”。こんなの前代未聞である。

〈ジャニーズネットHPより一部抜粋〉

「先般、ジャニーズネットにおきまして、『公共交通機関の利用マナーに関するお願い』を掲載しました。この数年メンバーからも直接のお願いをさせて頂いておりましたが、ツアー移動時に一般のお客様に対して多大なご迷惑をお掛けする状況が改善に至らなかったことを踏まえまして、デビュー以来継続して参りましたアリーナ会場でのコンサートを本年は見送らせて頂きます」。

[迷惑行為を超えて犯罪?]

昨年10月7日に新潟で行われたHey!Say!JUMPのコンサート後、メンバーが帰る新幹線にファンが近づいて離れないため新幹線が遅延した出来事が大きなニュースとなった。

その他「ライブ動画を撮影してSNSに流した」

「ライブ中に特効で飛ばされた銀テープの保持をめぐり、相手の首を絞める」

「スタッフをエアガンで射つ」

「ぶつかって赤ちゃんを泣かし、詫びもせず消える」

その他、JUMPに限らずジャニーズのファンによるストーカー的被害は跡を絶たず、中には自分を知ってほしいがためにわざと嫌がられる事をする「やらかし」と呼ばれる行為に走る人間もいる。どういう神経をしているのか、悪質の度は超え犯罪レベルの出来事は山ほどあるそうだ。

これまでジャニーズのHPでは様々な注意喚起をしている。これを読むとタレント・事務所が可哀そうになる。

~ファンの皆様へ注意とお願い~

https://www.johnnys-net.jp/page?id=matters#20181017

HPの中で、2018年10月17日には『公共交通機関の利用マナーについて』として、

【新幹線】

・タレントが利用することを予想し、駅でタレントを待ち受ける

・駅構内を移動する間、タレントを追いかけつきまとう

・駅構内やホームに溜まり、通路を塞ぐことで他のお客さまやタレントの通行を妨げる

・タレントと同じ新幹線に乗車し、タレントを見るために車両のデッキや通路に溜まる

・ホームで指定されたラインを超えて新幹線に近づき、発車を妨げる

飛行機利用の際の空港についても、タレントを来ることを予想、待ち伏せ、つきまとい、追いかけなど、同様の行為に言及している。

5月19日の発表まで約8ヶ月の間に“厄介”が収まらずコンサート中止を決めたのだ。想像を超える酷さでなければ中止にするわけがない。考えて欲しい、億単位の収入が確実に入るコンサート興行を放棄するとは苦渋の決断だ。

[信用より警戒]

どんな芸能人のファンもタレントを近くで見たいし接触したい気持ちは心の奥底にあるはず。他を出し抜き自分だけ良い思いをしたい!という強欲もわかる。でも多くの人はモラルで強欲を抑えるわけだ。

良識あるファンが多いと、自然とタレント側からファンサービスで歩み寄ってくれるようになる。そんな信頼関係を保っている人気アイドルやアーチストはたくさんいる。

しかし、ジャニーズ系ファンは一部とはいえ悪名が高い。ずっとそう聞くが減らない。タレントだって本来愛すべきファンに対しサービスしたいのだ。しかし強欲に走る者がその距離を遠ざける。

知っているのか? 仕事中もプライベートも常に妙な人が現れるか護身ばかり考えている子がいること。ファンの中に危ない奴を探す作業を無意識でしてしまうのが嫌だと嘆く子がいること。

信用より警戒が先に立つ関係とは悲しいじゃないか。

ジャニーズサイドも変わるべき?

ジャニーズ系に限らず、いろんなアイドル・アーチストのファンだってトラブルを起こしている。ただし、ファン対スタッフ、ファン対タレント、ファン対ファン、これ等の図式に関しては内輪問題で解決できる。

最重要としている問題は、公共施設で無関係の人に迷惑をかけてしまうこと

今回、JUMPは再発を懸念してコンサートを中止にした。でもこれがカンフル剤になって劇的にファンマナーが良くなるか? と考えると、このままなら変わらないと思う。逆にもし来年コンサートが復活したら2年の鬱憤が爆発してもっと酷い事態が起こらないかと心配してしまう。

[悪いのはどっち?!]

悪いのはマナーのないファンなのはわかるが、じゃあジャニーズは何をしているのか? 

何年お願いしてもファンの悪行が改善されないのに、トラブル発生時に毎度“変わってくれない”と嘆き続ける堂々巡りならジャニーズも変わっていないではないか。

ダメなファンの改心待ちは時間の無駄なので自分たちが対策強化と体制の見直しを考えるべき。もちろん現場では様々な策を実行してはいると思うし外部には言えない事情もあるかわからない、でもコンサート中止に至ったのは危険回避に自信が持てなかったからだ。

第三者の戯言かもしれないが、トラブルを悪いファンに責任転嫁しすぎな気がする。ちょっと認識が甘くないだろうか。

[警備の強化]

あるアイドルグループの事務所は、コンサートやメディアのイベント、ロケなど、あらゆるシーンで必ず専属警備員を帯同させタレントを守る措置を取っている。そのおかげかファンマナーが良いからかは分からないが、今まで公共施設で大きなトラブルは起こっていないそうだ。

ここからは勝手な提案である。

タレントの危険回避に最善を尽くし、公共施設では無関係の人の危険回避に最善を尽くし、その上で良識あるファンに向けて安全にファンサービスが行えるよう尽くすのもタレント業の義務だと思う。

ジャニーズは、ある警備会社と提携しているようだが、どこまで手厚い警備を依頼しているのだろう? 遠征移動の際にSPがいないグループは多いと聞いたが、マストとして必ず数人のSPを帯同させるべきではないか。警備のプロが常に居るだけでもしもの現場混乱はかなり抑えられる。

人気を侮らず、利用する駅や空港など、移動先と連携して想定できるあらゆるトラブル回避に着手、施設警備を配置して予めタレントを人目に晒さないルート確保をする。準備を間違わなければトラブルの可能性は低くなる。新幹線を遅らせた件に関しても、例えばJUMPが乗る車両の前にロープを張ることもできたはずだし、ホームにファンを入れさせない策もとれたはずだ。

また、ファンの悪さが末期なのだから取り締まり強化を実行すると抑止にもなる。

例えば、タレントが公共の場に出る際は、危険防止のためスタッフ・警備が周囲をVTR録画・監視すると公言し、犯罪者は訴えるとまで言い切る。悪質な者はファンクラブ追放、ライブ・イベント出入り禁止の処分を下す。その実名はHPやSNSにも載せる(実行している事務所もある)。脅しじゃなく本腰で“厄介追放”に取り組むことを知らせ、戒める。

もちろんコストもかかるがそんなことを言っている場合ではない。不本意だしやりすぎと揶揄されてもこれくらいのことをしなければ劇的には変わらないと思う。

【以上の事を既に実践していたり、効果がなく辞めたり、という事実があったらリサーチ不足でお詫びする】

ここに挙げた提案が良策とは言わないが、しかし何か新しいアクションをファンにわかる形で起こさなければ示しがつかないのでは。お互いが変わらなければ幸せな関係にならない。

言っちゃなんだがタレントを困らせる人はファンではないし、ここまで厳しいことを言うのは健全に応援している大多数のファンが不憫でならないから。可哀想だ。

『ファンに直接伝えよう』

JUMPがファンに対してすべきは、今回のコンサート中止の大事態を「文章」じゃなく動画など映像配信で、直接言葉で伝えることではないか。

コンサート中止の理由、そこに至った経緯、何度伝えても改善しないマナー問題など。そして「こんなことがありました」「こんな怖い体験をしました」「みんな協力してほしい」「このままじゃ活動できない」など、公にしていないショックな出来事も赤裸々に語ればいい。

そして「悪さの自覚がないファンはいらない」そんなふうにまで言い切ってはどうか。(報復が怖いので心して)

JUMP本人達が真剣に本気の熱度を届けるのが一番の特効薬になる。今回の事態はJUMPにとって死活問題なのだ。

[全てはファンのため]

最後に。私もジャニーズの方と仕事をしたことがあり、某グループのコンサートを拝見させて頂いたことがある。とても素晴らしくて感動的なライブステージだった。

後日「どうだった?」と聞かれ「カッコよかったよ」と軽く答えたら「そうじゃなくて」と返された。

もっとこうしたら良いという意見はないか? つまりダメ出しを求められたのだ。

彼は言った「ファンのみんなを楽しませて幸せな気分で帰って欲しいんだわ。似たようなステージだと飽きられちゃうし、どんなことをしたらみんな喜んでくれると思う?」

プロだなと思った。

会話の中で「チケットも安くないし、交通費もかかる、グッズだって欲しい、出費は凄いよ。遠くの席で見辛い子もいるじゃん、それでつまらないステージなんか見せられないもん」とも話していた。こういう話は度々聞いた。おそらくジャニーズのタレントは皆同じことを考えているのだと思う。

そのコンサートをJUMPは中止にしたのだ。厄介な人に言いたい、わかるかなファンサービスをいつも考えているのに裏切られる気持ち。

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放送作家 石原ヒサトシ

放送作家 「クイズ雑学王」、「ボキャブラ天国」等 バラエティを中心にイロイロやってきました。なんか面白いことないかなぁ~と思いながら日々過ごしています。野球、阪神、競馬、ももクロ、チヌ釣り、家電、クイズ・雑学、料理、酒、神社・仏閣、オカルトなことがスキです。

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