「詐欺師と投資家の集まる島」近い将来 大リゾート地になるロンボク島の実態

2017/03/12
マガジンサミット編集部

ロンボク島は、インドネシアはバリ島の東隣にある島です。日本では、「バリに行ったついでに、サーフィンやダイビングを楽しむスポット?」というほどの知名度かも知れません。

 

しかし、旅行情報サイト「トリップアドバイザー」が、アジアの島々を評価した『アジアのベストアイランド TOP10』では、2015年、2016年ともに5位にランキング。バリ島にはない素朴な原風景が残る島として人気なのです。

 

 

ちなみに6位のギリ・トラワンガンは、ロンボク島の北西部沖にある小さな島で、ロンボク本島からスピードボートで5〜10分ほどの観光地。1位のバリ、5位のロンボク、6位のギリはセットで楽しめるインドネシアリゾートの人気コースです。

 

1位:バリ島/インドネシア

2位:プーケット島/タイ

3位:サムイ島/タイ

4位:タオ島/タイ

5位:ロンボク島/インドネシア

6位:ギリ・トラワンガン島/インドネシア

7位:ボラカイ島/フィリピン

8位:ランカウイ島/マレーシア

9位:ハブロック島/インド

10位:西表島/日本

https://www.tripadvisor.jp/TravelersChoice-Islands-cTop-g2 より

 

島の人口は270万人。北部にはリンジャニ山 (3726 m) がそびえ、南麓には広いサバンナが展開しています。内陸部には棚田などの田園風景もあれば、熱帯雨林のジャングルなどもあり、さまざまな表情を見せてくれますが、なんといっても白い砂浜とマリンブルーのビーチが美しさは格別だといいます。

 

 

ロンボク島は、水道、電気、交通などのインフラの整備が長らく不十分でした。しかし、2011年にロンボク国際空港が開港したのをきっかけに、インドネシア政府のジョコ・ウィドド政権は、島の南部に位置するマンダリカ地区を経済特区に指定。今、まさに急激に発展しています。

 

 

今が買い!ロンボク島の開発に携わる若き社長の目標

今、ロンボク島に投資しておくと良いかもしれません」と話すのは、不動産コンサルティング事業、リゾート開発事業などを広く手がける中邨宏季氏。弱冠29歳にして、年商10億円。7つの企業をまとめる『NEXTグループ』の代表取締役です。

 

 

「インドネシア政府は、2020年までにロンボク島のリゾート開発に力を入れることを明言しています。すでに、アミューズメントパーク、F1サーキット、高級5ツ星ホテルなど、様々な施設がロンボク島に参入しておりエアポートエリアの土地価格は、2年前から10~15倍という上昇率です」

 

中邨さんによると、日本では2倍になることすら難しい不動産価格が、ロンボク島では10倍、20倍どころか、数十から数百倍という異常ともいえる値上がりをする場所もあるとか。そのため世界中の投資家達がこぞってロンボク島を訪れているそうです。もちろん『NEXTグループ』でも大きく投資しています。

 

 

※「ロンボク島 来年オープン予定の5つ星リゾート」

 

※「ロンボク島 来年オープン予定の5つ星リゾート」

 

「弊社ではロンボク島に約東京ドーム5個分のリゾート用地を保有しています。周辺には4つ星、5つ星リゾートがオープンし始め、2017年にはいよいよ自社でのリゾート開発も着手し始めます。弊社では、その一部、ビーチ沿いの6万坪程の土地に、日本人の街をつくるプロジェクトをすすめています」

 

紹介してくれた人は詐欺でも、島は本物

しかし、これだけ土地が高騰し一攫千金のチャンスともなると、怪しい話も転がっているのではないでしょうか?おいしすぎる話には裏がつきものです。

 

「残念ながら詐欺話だらけです。あまりに詐欺話が多いので、警告本を出したくらいです。私自身も最初にロンボク島に案内された時は詐欺でした(苦笑)」

 

中邨さんが案内された土地は、景観も良い非常に可能性に満ち溢れた場所で、すでに複数の投資家が名乗りを挙げているということでした。しかし、よくよく調べると問題ばかりの土地だったそうです。

 

「土地の所有者と名乗る人物に案内されましたが、調べると全く別人の土地だったり、案内してくれた人にお金を渡したのに、なぜか本当の地主さんには1円もお金が支払われていなかったり。マップを見ながら、道路がこうやって繋がっていて……と説明されたのに、実際には道路は無くて川だったとか…未然に防ぎましたが、ひと通りの詐欺は経験しましたね」

 

 

そんな、ありがちで単純な詐欺に誰も騙されないのでは?と思いがちです。けれども、日本で大成功をしているような経営者やベテラン投資家も簡単に騙されてしまうそうです。

 

「現地を案内され、非日常の体験や大きな可能性を見せられて、公証役場などに案内されて、しっかりと書類も準備されていて…しかも相手は日本人ですから、流されるまま契約してお金を支払ってしまうのです。発展途上の国の可能性は間違いないものです。しかし、投資をする場合は、権利の安全性や将来的な出口戦略など明確にしておかなければ失敗します。何より、自分一人でやろうとせずに、第三者機関などの責任のあるプロの法律家や土地調査会社などにも相談することをお勧めします」

 

『賭けない投資 ―27歳のサラリーマンが、わずか3年で1億円の現金を作りあげた方法』

 

「せっかく大きな可能性があっても、そういった話がなくならない限り日本人は安心して進出はできません。そこで、私の経験もふまえてロンボク島の不動産を安全に購入する方法などを書いた本『賭けない投資』を出版したり、『PT LOMBOK NEXT PARTNERS』という日本人のインドネシア進出をスムーズにするためのコンサルティング会社を設立したりと、外国人向けのサービスを各地で始めています」

 

 

お金を儲けるよりも人の役に立ちたい

最近は経済が不安定なせいか、将来の不安を解決するために投資をするような

人々がすごく増えてきているといいます。しかし、日本には投資って怖い、リスクが高いというイメージが強くあると中邨さんは言います。

 

「日本は先進国で唯一、学校でお金の勉強をしない国なんですよ。だから“怖い”のは当前で、投資という言葉の意味を正しく理解している人も少ないと感じています。例えば、皆さんが思っている投資は、投資ではなく本当は『投機』と言われるものです。投機というのは、今のタイミングでお金を出せば儲かる!とか、○○さんが大統領になったらチャンスだ!!など、長いスパンで考えるのではなく、その瞬間に上がるのか、それとも下がるのかが大事でギャンブルに近いものがあります。つまり『投機』はゼロサムで一方が儲ければ、必ずもう一方は損をするものです」

 

 

「逆に『投資』というのはプラスサムの経済活動です。例えば、ロンボク島のような発展途上の場所では、投資家が集まると国に多額のお金が入り込み、そのお金によって経済が成長します。「『投資』というのはプラスサムの経済活動です。例えば、ロンボク島のような発展途上の場所では、投資家が集まると国に多額のお金が入り込み、そのお金によって経済が成長します。たくさんの投資で土地を買い、そこに家を建てる。そうすると、そこに住む人々が使う道路ができ電気が通り、そのうちお店などの商業も発達していく。当然そこには雇用も生まれて、さらに人が集まる様になってくる……不動産というものがキッカケでその国、地域の経済自体が発展するのです。投資家だけでなく、その他の多くの方々が恩恵を受けることができるもの。それが本来の『投資』というものです」

 

ロンボク島の日本人街プロジェクトと日本語学校

中邨宏季さんの『NEXTグループ』では、ただリゾート開発をおこなうのではなく、より地域に密着した開発を行っています。

 

「じつは弊社は、ロンボク島で日本語学校を運営しています。現在、街と集落に3校あり生徒数は150人くらいでしょうか。生徒さんは小学生が多いですね。一割が高校生で社会人もおり、彼らは仕事が終わった後に学びにきます。「日本に行きたい。日本で働きたい」という目標をもつ現地人は意外に多いのです」

 

※NEXTグループの日本人学校の生徒と中邨さん

 

「弊社では、ジーゼフ(JIESF)日本国際教育支援財団という団体を運営しています。以前、貧困地域の子供達に年間で約10万食の食糧支援を行っていました。でもある時、食糧も大切ですが、それ以上に人々が自立できる教育格差をうめることが大切だと気がついて。読み書きや計算ができること。それが子供達の未来を大きく変えるのです」

 

※ジーゼフ(JIESF)募金プロジェクト。教育支援や技術支援を中心に、支援活動や資金援助を行っている。

 

「ロンボク島では、英語や日本語を覚えることで就職に繋がりますから、ホテル、飲食店、ガイドなどさまざまな仕事につけるようにサポートする他、弊社で新たにカカオ農園とココナッツ農園を開拓したので、新しい雇用も生み出しています。もちろん日本人街ができた暁には、日本語を学んだ生徒さん達に、ぜひ協力してもらいたいです」

 

『NEXTグループ』では、バングラディッシュで唯一、日本人のドラッグストアを経営するなどしており、ロンボク島のみならず、いずれはバングラデシュでも教育に関する事業や日本人街をつくる構想を広げていきたいそうです。

 

「日本語学校の生徒さんが、日本とインドネシアの懸け橋になってくれれば嬉しいですね」と中邨さんは語り、人を育てることで、環境問題を解決させる糸口にも繋がると続けます。インフラによる環境保護対策の他に、“現地人自身が環境を守る”という意識を育てることが大切だそうです。

 

 

環境問題も一緒に。海を守りながら開発

「近年、東南アジア諸国は急激な発展をしているエリアが多数ありますが、それに伴い環境汚染も同時に進んでしまっています。この環境問題ですが、観光客が海を汚し、ゴミを捨てていく…と思われる人も多いのですが、実は原因はそこではありません」

 

 

「例えば、インドネシアではゴミをゴミ箱に捨てる習慣がなくビーチや海にゴミを捨ててしまいます。必然的に、お店などが増えれば、浄化されていない大量の排水を海に垂れ流すことになります。だからこそ、まずは現地の方々にゴミをゴミ箱に捨てる習慣を教えることや、ゴミ箱を各地に設置するなど、草の根運動のような取り組みが必要だと考えます」

 

日本は下水処理などのインフラ設備や技術は世界一です。そういった技術や施設を提供することはとても大切ですが、ただ設備のみ提供しても、使う人の意識が変わらなければ意味がないのだそうです。

 

「お金儲けではなく、その国の経済や歴史、現地の人々の生活などに目を向けると不動産投資ってとても意味のあるものです。もちろん、自分自身の資産が増えることが大前提の話ですが、ただ、儲けよう!とばかり考えていると、最後は数字を追いかるだけの、つまらないものになってしまいます。それよりも、どうしたら人の役にたつのか? どうしたら喜んでもらえるのか? そう考えて投資した方が、良いアイディアや切り口が浮かびます」

 

※中邨さんと一緒にロンボク島を訪ねた皆さん

 

中邨さんが目指す理想のリゾートの未来は、心からの癒しを感じられる、本当の意味で豊な楽園。それは、バカンスに来た観光客だけが愉しいリゾートではなく、現地人も安心して生活できる、すべての人にとって故郷のような場所なのかも知れません。

 

「仕事が好きだと公言している僕が言うのもなんですが、日本人は、休むのが下手だなと感じます(笑)。もともと長期バカンスの習慣がないからだと思いますが“何もしない”という寛ぎ方が苦手のようです。投資の見返りはお金だけではありません。最高の寛ぎを手に入れるためにも、ぜひ、ロンボク島をいちど訪れてみてください」

 

中邨宏季 (なかむらひろき)

 

 

1987年愛知県生まれ。

2013年株式会社NEXT設立。

日本、インドネシア、バングラデシュなどアジアを中心に海外進出支援、創業支援事業や個人向けの資産形成サポート・法人向けの経費削減コンサルティングを行う。また、日本において電力会社や静岡県内最大規模のコワーキングスペースの運営など、多岐にわたり事業を展開する。

 

著書に『賭けない投資―27歳のサラリーマンが、わずか3年で1億円の現金を作りあげた方法』『豊かな人生を勝ち取る30の思考』がある。

 

 

株式会社NEXT 代表取締役 

株式会社エニシアホールディングス 代表取締役 

株式会社L-BOX 取締役会長 / 第一日本電力株式会社 取締役会長 

PT LOMBOK NEXT PARTNERS CEO / NEXT JAPAN HOLDINGS BD LTD CEO

PT ASIA PACIFIC ENERGINDO 取締役

 

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